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  • 2025.12.26

Wikipediaの削除依頼|やり方・基準・注意点をわかりやすく解説

Wikipediaの削除依頼|やり方・基準・注意点をわかりやすく解説

Wikipediaに掲載された情報に誤りがあったり、プライバシーを侵害する内容が含まれていたりする場合、その記事や記述の削除を求めることができます。
そのための手続きが「削除依頼」です。
この記事では、Wikipediaの記事が削除される基準や具体的な削除依頼の方法、自身で手続きを行う際の注意点、そして弁護士に相談するメリットまでを網羅的に解説します。

Wikipediaのロゴと削除依頼の手続きを示すイメージ
Wikipedia削除依頼の基本

Wikipediaで削除の対象となる記事の基準

Wikipediaの記事は、誰でも自由に作成・編集できますが、削除に関しては明確な方針が定められています。
どのような内容の記事が削除の対象として検討されるのか、その基準を理解しておくことが重要です。

個人の感情や都合だけでは削除されず、コミュニティによって定められた客観的な基準に該当するかどうかが判断されます。

企業の風評被害対策については、UCWORLDの風評被害対策サービスをご覧ください。

基準1:プライバシーを侵害している内容

Wikipediaでは、個人のプライバシー保護が重視されており、本人の同意なく公開された私的な情報は削除の対象となります。
具体的には、公人ではない一般人の氏名、住所、電話番号、生年月日といった個人を特定できる情報が該当します。

また、裁判記録や前科など、公開されている情報であっても、それを集約して掲載することが本人のプライバシーを著しく侵害すると判断された場合も、削除が検討されることがあります。
特に、情報の公開に公共の利益が認められない私生活に関する記述は、削除されやすい傾向にあります。

基準2:名誉毀損にあたる誹謗中傷

特定の個人や企業、団体に対して、その社会的評価を低下させるような、根拠のない否定的な記述は名誉毀損にあたる可能性があります。
事実に基づかない悪意のある表現や、侮辱的な内容を含む誹謗中傷が記載された場合、削除の対象となります。

ただし、本人にとって不都合な内容であっても、それが公共の利害に関する事実であり、信頼できる情報源によって裏付けられた批判や論評である場合は、正当な表現活動と見なされ、名誉毀損とは判断されないこともあります。
単に「気に入らない」という理由だけでは削除されません。

誹謗中傷については、誹謗中傷はなぜ起こる?SNSで匿名でする人の心理と原因の記事もご参照ください。

基準3:事実とは異なる虚偽の情報

Wikipediaは百科事典として、正確性と検証可能性を基本方針としています。
そのため、客観的な事実と異なる虚偽の情報や、信頼できる情報源によって裏付けられていない記述は、削除の対象です。
例えば、本人や企業の経歴に関する誤った情報や、事実無根の不祥事が記載された場合などがこれにあたります。

削除を求める際には、その記述が虚偽であることを証明するための公的な資料や信頼性の高い報道など、客観的な根拠を提示することが求められます。
単に「事実と違う」と主張するだけでは不十分です。

基準4:著作権を侵害しているケース

書籍、ニュース記事、ウェブサイト、論文など、他者が著作権を持つ文章や画像を、権利者の許可なく転載している場合、著作権侵害として削除の対象となります。
Wikipediaでは、コンテンツのライセンスが厳格に定められており、無断転載は固く禁じられています。

自身の著作物が無断で利用された場合は、著作権者として削除を主張できます。
その際、どの部分が、どの著作物の権利を侵害しているのかを具体的に示して削除依頼を行う必要があります。
引用のルールを守っていない不適切な転載も削除対象です。

Wikipediaの記事を削除するための2つの方法

Wikipediaに問題のある記述を見つけた場合、その内容を削除するための方法は大きく二つ存在します。
一つは、誰でも編集できるというWikipediaの特性を活かして、自身で直接問題箇所を修正する方法です。

もう一つは、記事全体が削除に値すると考える場合や、他の編集者との合意形成が必要な場合に、「削除依頼」のページで議論を提起する方法です。

方法1:自身で記事の問題箇所を編集する

Wikipediaは、アカウントを登録していないユーザーでも記事を編集できる仕組みになっています。
そのため、誤字脱字や明らかな事実誤認、プライバシー侵害にあたる記述など、客観的に見て問題のある部分を本人や関係者が直接修正・削除することが可能です。

ただし、単に自分に不都合な情報を一方的に削除すると、他の編集者によって差し戻されたり、編集合戦と見なされたりする恐れがあります。
編集を行う際は、その理由を「編集内容の要約」欄に具体的に記載することが重要です。
例えば、「公式サイトの情報と異なるため修正」「プライバシー情報にあたるため削除」など、客観的な根拠を示すことで、他の編集者の理解を得やすくなります。

方法2:「削除依頼」のページで議論を提起する

記述の一部修正ではなく、記事全体の削除を求める場合や、編集方針について他の編集者との見解が分かれる場合は、「削除依頼」のページで議論を提起する手段が適しています。
この方法では、所定のページに削除を希望する記事名と、その理由をWikipediaの削除方針に沿って具体的に記述します。
依頼が提出されると、コミュニティのメンバーによる議論が開始され、一定期間を経て削除が妥当かどうか判断されます。
削除依頼は誰でも提出できますが、方針に沿った客観的な理由がなければ承認されません。
議論の結果、合意が形成されれば、管理者が記事の削除を実行します。

自分でWikipediaの削除依頼を行う際の注意点

本人や企業の関係者が自らWikipediaの削除依頼を行うことは可能ですが、その際にはいくつかの点に注意が必要です。
Wikipediaは独自の文化とルールを持つコミュニティによって運営されており、外部の論理や感情的な訴えがそのまま通用するわけではありません。

手続きを円滑に進めるためには、プラットフォームの特性を理解した上で、冷静かつ慎重に対応することが求められます。

削除の方針に関するガイドラインを熟読する

Wikipediaには「削除の方針」をはじめ、記事の作成や編集に関する詳細なガイドラインが存在します。
削除依頼を行う前には、これらの公式文書を必ず熟読し、どのような記事が削除の対象となるのかを正確に把握しておく必要があります。
例えば、単に特筆性がない、宣伝的である、プライバシーを侵害しているなど、自身の依頼がどの基準に該当するのかを明確にしなければなりません。

ガイドラインを無視した削除依頼は、議論の俎上に載ることなく却下される可能性が高いです。
方針を理解し、それに沿った論理的な主張を組み立てることが、依頼が受け入れられるための第一歩となります。

客観的な事実や根拠を提示して依頼する

削除依頼の議論の場では、主観的な意見や感情的な主張はほとんど考慮されません。
「不快だ」「迷惑している」といった訴えだけでは、削除の根拠として不十分です。
なぜその記事や記述が削除されるべきなのかを、第三者が納得できるように、客観的な事実や信頼できる情報源を基に説明することが不可欠です。

例えば、名誉毀損を主張する場合は、どの記述が社会的評価を低下させているのかを具体的に示し、虚偽情報を指摘する際は、それを裏付ける公的資料や報道を提示します。
証拠に基づかない削除依頼は、承認される見込みが極めて低くなります。

議論が長期化する可能性を理解しておく

削除依頼を提出すると、通常は1週間程度の議論期間が設けられますが、依頼内容に異議を唱える編集者が現れたり、論点が複雑だったりする場合には、議論が数週間から数カ月にわたり長期化するケースも少なくありません。

議論のやり取りはすべて公開されたログとして記録され、誰でも閲覧できる状態になります。そのため、議論の過程で感情的になったり、相手を攻撃するような発言をしたりすると、その記録が残り続け、かえって状況を悪化させるリスクも伴います。冷静さを保ち、粘り強く論理的な対話を続ける姿勢が求められることを理解しておくべきです。

削除依頼が承認されない場合の法的措置

Wikipedia内での削除依頼の議論を経ても、削除が承認されなかったり、問題が解決しなかったりする場合も考えられます。

しかし、その記述によって名誉毀損やプライバシー侵害といった法的な権利侵害が現実に発生している場合には、次の手段として法的手続きを検討することが可能です。
これらの法的措置は専門的な知識を要するため、弁護士などの専門家に相談しながら進めるのが一般的です。

投稿者を特定する発信者情報開示請求

Wikipedia上の悪質な記述によって権利が侵害された場合、その投稿を行った人物を特定するために「発信者情報開示請求」という法的な手続きを利用できます。
この手続きは、まずWikipediaを運営するウィキメディア財団に対して、投稿者のIPアドレスなどの情報開示を求めます。

次に、開示されたIPアドレスを手がかりに、投稿者が利用したインターネットサービスプロバイダを特定し、そのプロバイダに対して契約者(投稿者本人)の氏名や住所などの情報開示を請求するという二段階の手続きで進められます。
投稿者を特定することで、直接的な責任追及が可能となります。

損害賠償請求や刑事告訴を検討する

発信者情報開示請求によって投稿者が特定できた場合、その人物に対して法的な責任を追及することが可能になります。
民事上の手続きとしては、名誉毀損などによる精神的苦痛や、企業の信用低下によって生じた損害に対する慰謝料や賠償金を求める損害賠償請求訴訟を提起できます。

一方、投稿内容が特に悪質で、名誉毀損罪や信用毀損罪といった犯罪に該当すると考えられる場合には、警察に被害を届け出て、刑事告訴を行うことも選択肢となります。
どの法的手段が最適かは、本人や企業が受けた被害の状況に応じて弁護士と相談して判断します。

Wikipediaの削除依頼を弁護士に相談するメリット

Wikipediaの削除依頼は、ルールを理解すれば本人でも手続きを進めることが可能です。
しかし、プラットフォーム独自の文化や複雑なガイドラインへの対応、法的な観点からの主張の組み立てなど、専門的な知識が求められる場面も少なくありません。

そのため、インターネット問題に詳しい弁護士に相談することで、削除の可能性を高め、手続きに伴う負担を大幅に軽減できるというメリットがあります。

弁護士がクライアントとWikipedia削除依頼について相談している様子
弁護士への相談

削除される可能性を高める的確な主張が可能になる

弁護士は、問題となっている記事の記述が、Wikipediaの削除方針と日本の法律の両方の観点から、なぜ削除されるべきなのかを論理的かつ的確に主張することができます。
Wikipediaのコミュニティは、客観性と信頼性のある根拠を重視する傾向が強いため、法的な専門知識に基づいた説得力のある主張は、他の編集者や管理者の理解を得やすくなります。

当事者が行うと感情的になりがちな主張も、弁護士が代理人として冷静に展開することで、議論を有利に進め、削除が承認される確率を高める効果が期待できます。

複雑な手続きや議論の対応を一任できる

Wikipediaの削除依頼は、所定の書式に沿った依頼文の作成から、その後のコミュニティとの議論への参加まで、一連の手続きに多くの時間と労力を要します。
特に、他の編集者から反論があった場合、その対応に追われて精神的に疲弊してしまうことも少なくありません。

弁護士に依頼すれば、これらの煩雑な手続きや議論の対応をすべて一任できます。
これにより、本業や日常生活への影響を最小限に抑えながら、問題の解決を図ることが可能となり、手続きに伴う精神的なストレスからも解放されます。

投稿者の特定など法的手続きも円滑に進められる

Wikipedia内での削除依頼が不調に終わった場合、発信者情報開示請求や損害賠償請求といった法的手続きへの移行を検討することになります。
これらの裁判手続きは極めて専門的であり、弁護士のサポートが不可欠です。

削除依頼の段階から弁護士に相談していれば、コミュニティ内での解決が困難と判断された際に、収集した証拠などを活用して速やかに次の法的ステップへと移行できます。
初動から訴訟まで一貫したサポートを受けることで、より円滑かつ効果的に問題の根本的な解決を目指せます。

まとめ

Wikipediaの記事を削除するには、自身で直接編集する方法と、「削除依頼」を提出してコミュニティの議論に委ねる方法があります。
削除が認められるためには、プライバシー侵害や名誉毀損、著作権侵害など、定められた削除基準に該当することを客観的な根拠に基づいて示す必要があります。

自分で依頼を行う際は、ガイドラインを熟読し、冷静な議論を心がけなければなりません。
もし、コミュニティ内での解決が難しい場合や、手続きに不安がある場合は、弁護士への相談が有効な選択肢です。
専門家は的確な主張で削除の可能性を高めるだけでなく、発信者情報開示請求などの法的手続きにも対応できます。

UCWORLDが選ばれる理由

検索サジェスト対策について相談するビジネスマンと専門家
プロフェッショナルによる課題解決の提案

Wikipedia削除に成功したのに、問題が解決しない理由

企業の広報担当者として、Wikipediaの削除依頼に取り組んできた。
企業の不祥事に関するネガティブな記述が、Wikipediaに掲載されていた。
弁護士に依頼し、削除方針に沿った主張を組み立てた。
数ヶ月の議論を経て、ようやく削除が承認された。
成功したと思った。

しかし、新規顧客からの問い合わせは増えない。 採用活動でも、応募者数に変化がない。
なぜだろう?
Wikipedia削除に成功したのに、問題が解決していない。

Wikipedia削除後も、検索サジェストには痕跡が残る

Wikipedia削除に成功することは、重要です。
総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する調査研究」でも指摘されているように、オンライン上のネガティブ情報は、消費者の意思決定に深刻な影響を与えます。
しかし、Wikipedia削除に成功しても、別の問題が残ります。
それは、検索サジェストです。

Wikipedia削除後の検索サジェスト:

企業名をGoogleで検索すると、サジェストに表示される候補:

  • 「企業名+Wikipedia」
  • 「企業名+Wikipedia 削除」
  • 「企業名+不祥事」

Wikipediaの記事は削除されました。 しかし、多くの人が過去に「企業名+Wikipedia」で検索した履歴が、サジェストとして残り続けているのです。

サジェストに「Wikipedia 削除」が表示される意味

サジェストに「企業名+Wikipedia 削除」が表示されることは、何を意味するのでしょうか。
消費者の視点で考えてみましょう。

消費者の心理:

  1. 企業名を検索窓に入力
  2. サジェストに「Wikipedia 削除」が表示
  3. 「この企業は、Wikipediaから何かを削除したのか?」
  4. 「削除するほど都合の悪い情報があったのでは?」
  5. 不安を感じる

Wikipediaの記事自体は削除されました。 しかし、「削除した」という事実が、かえって消費者の疑念を生む可能性があります。
これは、「ストライサンド効果」と呼ばれる現象です。
情報を隠そうとする行為が、かえって注目を集めてしまう。

Wikipedia削除費用への投資が、無駄になる

Wikipedia削除依頼には、多くの費用と時間が投資されます。

Wikipedia削除への投資:

  • 弁護士費用:数十万円〜
  • 削除依頼の議論対応:数ヶ月
  • 精神的ストレス:計り知れない

これらの投資により、ようやく削除が承認されます。
しかし、検索サジェストに「Wikipedia 削除」が残り続ける状態では、その投資効果は限定的です。

問題の構造:

  • Wikipediaの記事:削除成功
  • 検索サジェスト:「Wikipedia 削除」が表示
  • 結果:消費者の疑念は解消されず

Wikipedia削除への投資が、サジェスト環境の未整備により、十分な成果に繋がっていないのです。

Wikipedia削除とサジェスト対策、両方が必要

企業のレピュテーション管理として、Wikipedia削除は重要な施策です。
誤った情報や名誉毀損にあたる記述を削除することで、情報の正確性を取り戻せます。
しかし、それだけでは不十分です。

包括的なレピュテーション管理の構造:

第1層:Wikipedia記事の削除

  • 削除依頼の提出
  • 議論への対応
  • 法的措置の検討

第2層:検索サジェスト環境の改善

  • 「Wikipedia 削除」の表示を減らす
  • ポジティブなサジェストを増やす
  • 消費者の疑念を解消する

この2つの層を統合的に管理することで、初めてWikipedia削除の投資効果が最大化されます。

UCWORLDでは、企業のレピュテーション管理として、検索サジェスト環境の改善をサポートしています。
Wikipedia削除後も、検索サジェストには「Wikipedia 削除」という痕跡が残ることがあります。
この痕跡を消すことは、直接的にはできません。
しかし、ネガティブな検索行動のパターンを変化させることで、サジェストの候補を段階的に変えることは可能です。
企業の実績や顧客評価といったポジティブな情報を強化し、検索行動をネガティブなものからポジティブなものへとシフトさせます。
時間はかかりますが、「企業名+Wikipedia 削除」というサジェストが、「企業名+評判」「企業名+サービス」へと変化する状態を作ります。

Wikipedia削除の成果を、確実に企業価値に繋げる

Wikipedia削除に成功することは、素晴らしいことです。
それは、企業が誤った情報や不当な記述と戦い、勝利した証拠です。
しかし、その成果を確実に企業価値に繋げるためには、検索サジェスト環境の整備が不可欠です。
Wikipedia削除への投資を、本当の意味でのレピュテーション回復に繋げる。
そのために、サジェスト対策を並行して実施しましょう。

UCWORLDでは、1キーワード3万円からの費用でサジェスト対策が可能です。
無料相談を承っており、Wikipedia削除後のサジェスト環境を分析した上で、最適な改善策をご提案いたします。
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